えんどうファミリークリニック
こんにちは、えんどうファミリークリニックです。
今回は、クルーズ船で報告されたハンタウイルス感染症の集団発生について、WHOなどの情報をもとに整理し、「アンデスウイルス」によるヒトーヒト感染の懸念や、日本でのリスク評価を分かりやすくご紹介します。
クルーズ船で何が起きているのか
報告では、南米沖を航行していたクルーズ船で、乗客・乗員147人中7例のハンタウイルス感染症が確認され、そのうち3例が亡くなられています。重症1例がICUで管理され、日本人乗船者も1人いるとされています。
ハンタウイルスは、げっ歯類(ネズミなど)の尿・糞・唾液に含まれるウイルスが、乾燥して粉じんとなり、それをヒトが吸い込むことで感染します。重症化した場合は、急激な肺炎・呼吸不全(ARDS)、ショックに至り、ICUや人工心肺装置(ECMO)を要することもあり、致死率は40~50%と高い感染症に分類されています。
アンデスウイルスとヒトーヒト感染の可能性
通常のハンタウイルスは「ネズミからヒト」への感染が中心で、ヒトーヒト感染は基本的に起こりません。一方、南米に分布するアンデスウイルスは、家族や医療者など濃厚接触者へのヒトーヒト感染が報告されている、特殊なタイプとされています。
今回のクルーズ船の事例について、スイス当局は「アンデスウイルス」である可能性を公表し、船内での環境曝露(げっ歯類の排泄物など)だけでなく、ヒトーヒト感染が関わったかどうかを調査中と伝えています。現時点では情報が限られており、今後の公式発表が待たれます。
日本国内でのリスクは?過度に恐れず、正しく理解を
厚生労働省や国内専門機関の評価では、現時点で日本国内で大規模に感染が広がるリスクは低いとされています。その理由として、「ウイルス自体の感染力がインフルエンザや麻疹ほど強くない」「濃厚接触が中心である」「媒介となるげっ歯類が限られており、日本には自然宿主がほとんどいない」などが挙げられます。
つまり、アンデスウイルスは重症化のリスクが高い一方で、「新型コロナのように世界的パンデミックを起こしやすいタイプ」とは考えられていません。発熱・咳・息苦しさなどの症状がある場合には、まずは一般的な感染症を念頭に置きつつ、渡航歴や地域の流行状況に応じて評価していくことが大切です。
えんどうファミリークリニックでも、発熱や呼吸器症状、感染症に関するご不安についてご相談をお受けしています。ニュースで不安を感じたときは、一人で抱え込まず、遠慮なくご相談ください。
※本記事は、WHO・各国当局などの公開情報をもとに、ハンタウイルス感染症およびアンデスウイルスに関する内容を一般の方向けに整理したものです。記載内容はインフォグラフィック作成時点の情報に基づいており、今後の調査・公表により変更される可能性があります。個々の診断・治療や受診の要否については、症状や渡航歴、基礎疾患などをふまえ、必ず担当医とご相談ください。
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