「介護予防」、「地域包括ケアシステム」という理想の言葉が飛び交うようになって10年が経ち、いろいろな事業が展開され、現在は実現化につながってきている状況です。

それはなぜかというと、介護になるほとんど理由は、「歳のせい」ではなく、「さまざまな要因のせい」ということがわかってきたからです。

以下の図に示すように、様々な要因がドミノ倒しになることで、筋肉の低下を招き、”自立した生活が困難”というゴールに導かれます。

このドミノを見ると、身体の衰えの原因は「栄養」であり、栄養の衰えの原因は「お口」ということがわかります。

このようにドミノのどこから倒れているのかを見つけ、そのドミノから起こしていかなければ、ドミノは起き上がりません。

みなさん、ドミノ倒しで遊ぶ途中で、倒してしまった場合、最後のドミノから起こし直しますか？

それでは、ドミノが起き上がらないから、倒れる原因となったドミノから起こし直しますよね？

私たちの身体も同様に例えることができます。

「お口」のドミノのところでは、「オーラルフレイル」というお口の衰えが明らかとされてきました。

オーラル＝口腔、フレイル＝虚弱というこの言葉は近年、歯科界を越え、皆様の元へ浸透しつつある言葉です。

では、簡単にオーラルフレイルの症状の一例から起こるフレイルドミノを以下に示します。

このようなお口の些細な症状を放っておくと、歪みが大きくなり全身の問題へとつながるわけです。

ですから、お口の症状を放っておかないことが大事になります。

お口の健康は全身の健康へ影響してることを理解し、治療と予防をかかりつけの歯医者と協力して、健康な老後をゴールとしましょう。

一度、弱った身体も、お口と栄養のドミノを見直せば、改善に向かうことも可能です。

そこで、後期高齢者医療広域連合では75 歳以上の皆様へ「お口“いきいき”健康支援（口腔ケア）事業」が行われており、長崎県歯科医師会加盟の協力歯科医院にて無料で受けることができます。
※在宅要介護2 以上の方で歯科医院への通院が困難な方に関しては自宅でこの事業を受けることができます。

気になるご家族がいらっしゃれば、ぜひ、試してみてください。

また、ご近所に気になる方がいらっしゃいましたら、この情報を共有していただけると幸いです。

この情報共有に関してはお住まいの地域にある「地域包括支援センター」でさらに拡散することが可能です。

何歳になっても自宅で自由に過ごし、健康で笑顔の老後をゴールとして導けるのは、この記事を読んで、動き出そうとしたあなたという「高齢者の家族」です。

徳富歯科医院　徳富健太郎