えんどうファミリークリニック
こんにちは、えんどうファミリークリニックです。
今回は、JAMAに掲載された「重症熱傷患者さんへの高用量ビタミンC静脈内投与」のランダム化比較試験(VICTORY試験)のインフォグラフィックをご紹介しつつ、結果のポイントを整理します。
研究の概要:世界24施設・238人の重症熱傷で検証
対象は、全身表面積の20%以上に深いやけど(二度深達~三度熱傷)を負い、植皮が必要と判断された成人患者さんです。世界24か所の熱傷センターで、238人がビタミンC群120人とプラセボ群118人にランダムに割り付けられました。
ビタミンC群では、熱傷前体重1kgあたり50mgを6時間ごと、最大150kg相当まで、合計96時間静脈内投与。対照群では、同じ量・同じスケジュールでブドウ糖液または生理食塩水が投与されました。主要評価項目は、「28日以内の死亡」+「28日時点で人工呼吸器・腎代替療法・昇圧薬などがまだ必要な臓器障害」の複合指標です。
結果:死亡・臓器障害は減らず、有害の可能性も
28日時点での死亡または持続する臓器障害は、ビタミンC群で120人中49人(40.8%)、プラセボ群で118人中35人(29.7%)でした。統計解析では、「高用量ビタミンCは死亡や臓器障害を減らさず、むしろ害となりうる可能性がある」という結論で、調整リスク比は1.28(95%信頼区間 0.99–1.65、P=0.06)と報告されています。
これまで一部で期待されてきた「重症熱傷に対する高用量ビタミンC救命効果」は、少なくともこの条件・この用量では支持されなかったことになり、集中治療領域でのビタミンCの位置づけを考え直す重要な結果といえます。
研究ニュースとの付き合い方と当院のスタンス
集中治療や熱傷治療は当院の専門領域ではありませんが、今回のような大規模試験の結果は、「効きそうだから」「ビタミンだから安全そう」といった印象だけで治療を広めることの危うさを示しています。効果と安全性は、きちんとした臨床試験で検証されて初めて評価できるという点を、改めて教えてくれる研究でもあります。
※本記事は、JAMAに掲載されたVICTORY試験(重症熱傷患者さんに対する高用量静脈内ビタミンC投与のランダム化比較試験)の公開インフォグラフィックをもとに、一般の方向けに内容を要約したものです。具体的な治療方針は、病状や医療機関の体制によって大きく異なります。個別の治療については、必ず担当の医師とご相談ください。
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