えんどうファミリークリニック
こんにちは、えんどうファミリークリニックです。
今回は、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちの脳の働き方について、「興奮と抑制のバランス」「神経活動のゆらぎ」「脳内ネットワークのつながり」を図で示した資料をもとに、現在の仮説をわかりやすくご紹介します。
興奮と抑制のバランスと、脳の「ゆらぎ」
図では、典型的な発達をしている子どもでは、脳内の「興奮(Excitation)」と「抑制(Inhibition)」のバランスが、ちょうど天秤が水平になるように保たれている様子が描かれています。このとき、各エリアの神経活動のゆらぎ(フラクチュエーション)は比較的おだやかで、情報のやりとりもスムーズだと考えられます。
一方、自閉スペクトラム症の子どもの図では、興奮側がやや優位に傾き、それに伴って脳の一部で神経活動のゆらぎが大きくなっている様子が示されています。これは、特定の刺激に対して反応が強くなったり、感覚の過敏・鈍麻などにつながる可能性があると考えられています。
脳の「つながり方」と社会性のむずかしさ
さらに図では、典型的に発達する子どもでは「典型的な脳の結合性(Typical brain connectivity)」が保たれており、それが「典型的な社会的行動」につながっていると表現されています。
これに対して、自閉スペクトラム症の子どもの図では、多くの領域が密につながった「脳の過剰な結合(brain hyper-connectivity)」が描かれ、その程度と「社会性の困難(social deficits)」との間に相関がある、という研究結果が紹介されています。脳のどの部分同士が、どのようにつながり過ぎているか・つながりにくくなっているかが、視線の合わせ方やコミュニケーションのスタイルなどに影響している可能性がある、という仮説です。
「脳の特性」を理解し、環境と支援を整えることが大切です
ここで大切なのは、これらはあくまで脳の働き方の違いを説明しようとする科学的な仮説であり、「良い・悪い」をつける話ではないという点です。自閉スペクトラム症は、脳の情報処理の特徴が異なることで、社会的な場面や感覚刺激への対応が独特になる「発達のスタイルの一つ」ととらえられています。
脳のつながり方や興奮・抑制のバランスの研究が進むことで、将来的には、より個々の特性に合った支援や環境調整(見通しの立つ声かけ、感覚刺激の工夫、得意な情報処理スタイルを生かす学び方など)につながることが期待されています。
えんどうファミリークリニックでも、「視線が合いにくい」「ことばの遅れが気になる」「集団が苦手」など、お子さんの発達に関するご相談をお受けしています。ご家族だけで悩まず、気になることがありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
※本記事は、自閉スペクトラム症の子どもの脳活動と結合性に関する図解資料をもとに、一般の方向けに現在の仮説をかみくだいて紹介したものです。個々の診断や支援の内容は、お子さんの年齢・行動の様子・環境などによって異なります。具体的な評価や対応については、必ず担当医・専門職とご相談ください。
受付/午前は12:15まで、午後は18:15まで
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